ハンザワブログ

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「寝ずの番」「半通夜」とは?通夜の後は徹夜する必要がある?

寝ずの番

こんにちは!ハンザワです。
本日は「寝ずの番」についての記事です。日常生活においては、あまり聞きなれないフレーズですよね。

寝ずの番とは簡単に言うと、「お通夜の晩に故人の遺体を夜通し見守ること」ですが、詳細については、下記で説明します。

疲れている遺族には大変な、寝ずの番

通夜の弔問客が帰った後は、故人との血縁の濃い親族のみが残ります。配偶者、子ども、孫等、故人と近しい親族のみ残るケースが多いでしょう。

ハンザワ家では、集まった親族全員が畳の部屋に雑魚寝して「寝ずの番」をしたことがあります。どうして、通夜とその準備に追われて疲れているのに、寝ずの番をする慣習があるのでしょうか。

寝ずの番は「夜通し見守る時点で、翌日の告別式・葬式に寝不足で参列する」というネガティブなイメージを持たれがちですが、寝ずの番にはきちんとした目的があります。

寝ずの番の目的とは

医療が現代ほど発達していなかった昔では、故人の臨終後に遺族が本当に亡くなったかどうかを確認する方法も未発達でした。

そこで出棺前に、遺族や親族が交代で夜通し番をする慣習が生まれました。故人がもう一度目を覚ますことがあるかも知れないからです。

またご遺体に悪い霊がつかないように、明かりや線香の火を灯し続ける目的でも、寝ずの番の慣習は行われてきました。

なお、寝ずの番の最中は、線香の火を絶やしてはいけないと言われています。

線香の火を絶やしてはいけない理由は、亡くなって霊の状態になった故人が味わうことができる唯一の食事が「線香の香り」であるためです。

故人の霊にひもじい思いをさせないようにするために、寝ずの番の最中はずっと線香の火を灯し続けることが、寝ずの番を行う際のマナーとなります。

他にも、寝ずの番は、かつて戸外で遺体の番をしているときに、遺体に虫がついたり動物が荒らしたりしないようにした慣習の名残とも言われています。

半通夜とは、寝ずの番の新しい形

このように寝ずの番も、かつては文字通り眠ることなしに一晩中行われていましたが、最近では「半通夜」と呼ばれる慣習も増えています。

半通夜とは、2時間~3時間程度だけ遺体の番をし、その後は翌日に備えて就寝することをいいます。

ご自身の体調などによっては、半通夜というかたちをとって、早めに眠るのが良いでしょう。翌朝の葬儀に備えて少しでも体を休める必要があるからです。

ハンザワの場合も、一晩中寝ずの番をした経験はなく、3時間~4時間ほどは葬儀場の宿泊スペースで仮眠を取ることが多いです。

寝ずの番、半通夜では、どのようにしたら良いか

通夜が終わってひと段落したら、故人の遺体は一人ポツンと残されてしまいます。今まで沢山の人が集まっていた場所から人がいなくなり、なんだか寂しい雰囲気に一変します。

故人に寂しい思いをさせないようにも、他の親族と交代しながら故人のところへ行って話しかけたり、故人を囲んで皆で想い出話をしたりすることを、おすすめします。

また、寝ずの番をする時の服装については楽な恰好で大丈夫です。派手な服装でなければ問題ありません。もしお寺が葬儀会場の場合は、服装について事前に僧侶に確認すると良いでしょう。

少し夜食やお菓子をつまんだりしながら、心を落ち着けて過ごしましょう。

寝ずの番での「線香」について

寝ずの番での線香は、前述の通り故人の霊を飢えさせないようにするためにお供えされるものであり、中途半端な状態にもできませんが、巻き線香であれば半日以上長持ちしますので、問題ありません。

ハンザワの経験でも、長い間灯っていられる「渦巻線香」が葬儀場の方で用意されており、時折交代で様子を見に行く程度でした。

もし、巻き線香ではなく、まっすぐの普通の線香の場合、寝ずの番の最中にお供えする線香の本数は、1本だけというのが一般的です。

お供えした線香が、故人の霊が迷うことなく極楽浄土に向かう際の道しるべになるという理由によるものです。線香を何本もお供えすると、故人の霊を迷わせることになるので、注意しましょう。

線香を交換する際は、ろうそくの火から移す形で新しい線香に火をつけます。ろうそくが電気ろうそくの場合は、着火ライターが用意されていることが一般的であり、そちらを使いましょう。

ここで注意すべきなのが、長く火に当てていると炎が出る恐れがあるという点です。

もし炎が出てきたら、軽くあおいで炎を落ち着かせましょう。ここで息を吹きかけることは、汚れた息を吹きかけるということでタブーとされている行為なので注意しましょう。(火事になってしまっては、元も子もないので、いざという時は迷わず消しましょう。きっと故人も許してくれるはずです。)

寝ずの番での「ろうそく」について

寝ずの番で、線香と一緒に灯し続ける必要があるものが「ろうそく」です。

最近は「電気ろうそく」が主流であり、消える心配はしなくて良いことがほとんどです。ろうそくについた火も線香と同じように、故人を極楽浄土に導くための道しるべの意味があります。

ろうそくに火を灯す際にはマッチや大型の着火ライター、仏壇用の火つけを使って着火します。喫煙の際に使われる小さいライターは、やけどの危険があるので使わない方が良いです。ろうそくの火を消す際には、軽くあおぐか仏壇用の火消しを被せるかします。

寝ずの番をしていても何らかの理由で線香やろうそくの火が消えた場合は焦ることなく、再び線香やろうそくの火を灯し直します。

線香やろうそくの火が絶えたから故人が成仏できないということはありません。仏教のどの宗派でもそのようなことは説かれていませんので、安心して大丈夫です。

最後に

今回は、通夜と葬儀の間にある「寝ずの番」「仮通夜」について、まとめました。線香、ろうそく一つにしても、それぞれ大事な意味があります。

しっかりと意味を覚えて、故人を極楽浄土に案内しましょう。

それでは!