ハンザワブログ

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つみたてNISA加入者の3割がネット証券を利用。多い?少ない?

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こんにちは!ハンザワです。
本日は資産運用についての記事です。2018年1月からスタートした、つみたてNISAの「加入者データ」が金融財政事情研究会(一般社団法人)の調査で明らかになりました。

つみたてNISA加入者の実態はどうなっているのでしょうか。調査内容を考察してみました。

つみたてNISA加入者データの概要

まずは、データの概要をご覧ください。

 2018年3月時点 つみたてNISA口座数 つみたてNISA口座占有率
大手銀行7行 77,207 15.2%
地方銀行・信金等 108,632 21.4%
ゆうちょ銀行 36,000 7.1%
大手証券2社 110,000 21.7%
ネット証券4社 165,000 32.5%
その他証券会社 10,623 2.1%
合計 507,462 100%

 

上記の「つみたてNISA加入者」のデータについて、気になる点を5つ考察してみました。

データ① つみたてNISA加入者の約30%がネット証券4社

ネット証券4社(SBI証券、楽天証券、マネックス証券、松井証券)で、つみたてNISAに加入した人は、加入者全体の30%程度になります。

この数字、あなたは多いと見るでしょうか?少ないと見るでしょうか?ハンザワは個人的には「ネット証券の普及を考えると少ない」と感じています。

つみたてNISAは主に若年層の利用をターゲットにしている制度です。若年層は高齢者層に比べてネット証券の利用に抵抗がないため、つみたてNISAのネット証券での利用割合はもっと高いかと考えていました。

 

つみたてNISA商品数ランキング ファンド数
SBI証券 139
楽天証券 133
松井証券 130
マネックス証券 124
高木証券 47
フィデリティ証券 28
ジャパンネット証券 23
静岡銀行 22
イオン銀行 20
スルガ銀行 18

 

また、上記データを見て頂ければ一目瞭然ですが、つみたてNISAで選択できる商品数はネット証券が圧倒的です。文字通り桁が違います。

ネット証券のつみたてNISAへの力の入れ具合を勘案すると、今回のつみたてNISA獲得割合の結果は「ネット証券にとっては、残念な結果」と言えるでしょう。

データ② 大手銀行は7行で15%程度と苦戦

三菱UFJ、三井住友、みずほ、りそな、三井住友信託、三菱UFJ信託、新生の名だたる大手7行を合計したとしても、つみたてNISA獲得割合は15%程度にしかなりません。

口座数や預かり資産残高を勘案すると、大手銀行のつみたてNISA獲得率は圧倒的に少ないと言えるでしょう。

ただ、大手銀行がこの結果を受けて悲観しているかというと、そうではないでしょう。つみたてNISAは手数料を稼げないため、金融機関にとっては事務コストだけが増える赤字商品です。

金融機関にとって、つみたてNISAのメリットは「口座数が増える」「預かり資産が増える」ことですが、大手銀行の場合は、つみたてNISAに頼らなくても「口座数」「預かり資産残高」を獲得できます。

大手銀行は黙っていてもお客さんが自分から口座を作りに来ますからね。大手銀行にとっては、つみたてNISAを積極的に獲得するメリットは少ないのです。

データ③ 大手証券は2社で20%超と善戦

たったの2社(野村証券、大和証券)で20%超の割合を獲得している大手証券は善戦していると言えるでしょう。

資産運用口座の数から見ると、少なく見えるかも知れませんが、一般NISAの口座獲得数では大手証券が1位となっています。

現状ではNISA口座は「一般NISA」か「つみたてNISA」のどちらかしか作れないため、大手証券としては上出来の結果でしょう。

データ④ 意外と多い地銀・信用金庫での加入者

一番意外だったのが地銀・信用金庫での、つみたてNISA加入者が多いことです。地銀・信用金庫を全て合わせると、何と20%超も獲得しています。

大手証券とほぼ同じくらいの割合を獲得しており、大手銀行7行の割合より多いのです。

正直かなりビックリしました。地銀・信金パワーを侮っていましたね。まだまだ、日本では地銀・信金の需要は高いようです。

データ⑤ 店舗数・預かり資産残高の割にゆうちょ銀行は苦戦?

評価が難しいのが「ゆうちょ銀行」です。ゆうちょ銀行はメガバンクなみの預かり資産があり、口座数は他金融機関より圧倒的に多いのですが、つみたてNISA獲得割合は7%程度です。

これは「口座数の割には苦戦」ともとれますし「大手7行合計の半分程度も獲得しているため善戦」ともとれます。(ゆうちょ銀行も大手7行と同じく、つみたてNISA口座獲得に力を入れていないと考えられますが)

他人がどこで作成していようが、つみたてNISAはネット証券

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今回のデータを見て、改めて感じたことは「他の人と同じが最適解ではない」ということです。

つみたてNISAをネット証券で行っている人は3割と少数派なのですが、つみたてNISAはネット証券でやる方が確実にメリットがあります。

選べる商品の種類が多くて、手続き等も簡単ですからね。他人に流されず、しっかりと自分で見極めるべきです。

【公式サイト】 SBI証券

【公式サイト】 楽天証券

【公式サイト】 マネックス証券

 

最後に

なお、今回の金融財政事情研究会の調査は2018年3月末時点のものです。現在の状況と大差ないでしょうが、ひょっとしたら少しくらい勢力図が変わっているかも知れません。今後も、つみたてNISAの動向をチェックしていきます。

それでは!